3度和音に関する考察

 3度和音は、楽曲において最も重要な位置を占める和音では無いでしょうか、確かに完全和音のほうが響きは綺麗ですが、それだけでは逆に和音が単純すぎてつまらないものになってしまいます。
 基本三和音も1度、3度、5度の和音ですし、ハーモニーパートの最も基本的な和音といっても過言では無いでしょう。
 ここでは、この3度和音について、管理人がアレコレ思った事を書き綴って見ました。

_二つの3度和音

 まず、3度和音は、長3度()と短3度(ミ♭)の2種類があります。

 長3度の周波数の比率はおよそ 1:1.25 、つまり 4:5
 短3度の周波数の比率はおよそ 1:1.2 、つまり 5:6

 基本的に、周波数の比率が単純なほど綺麗な和音と言われていますが、この事から短3度よりも長3度のほうがずっと綺麗な和音だという事が分かります。
 一般に不協和音と言われている増4度の比率がおよそ 1:√2 ですから、比較的綺麗な和音なのはわかる通りです。

_基本三和音と3度和音

 さて、この事について、もうちょっと纏めておきます。完全1度と完全5度の和音の比率は 1:1.5 つまり 2:3と極めて良く調和する和音です。
 基本三和音であるメジャーコードとマイナーコードはそれぞれ、1度、3度、5度の和音ですが、この5度目の和音は基本的に完全5度です。

 3度目が長3度(の和音)の場合、3和音の比率は 4:5:6。
 3度目が短3度(ミ♭の和音)の場合、3和音の比率は 5:6:7.5とやや複雑ではありますが、それでも比較的単純な比率です。

 ところで、周波数を計算するまでも無く、ミ♭の関係が長3度なのに気付いているでしょうか、この関係を見てみると、6:7.5は、やはり4:5となり、綺麗な和音になっています。
 また、長3和音のの場合も、やはり5:6ですから短3和音が含まれている事になります。

 つまり、基本三和音の場合、メジャーコード、マイナーコードいずれにしても長短それぞれの3度和音が含まれており、この事から、三和音の3度目は、完全1度と完全5度を繋ぐ重要な役割を果たしている事がわかります。

_もう二つの3度和音

 これも当然のようなものですが・・・

 は短3度ですが、は長6度です。
 ソ#は長3度ですが、ソ#は短6度です。

 6度和音と3度和音との直接の関係はこの程度のものですが、周波数の比率が同じという事になりますし、覚えておくと便利そうです。

_3度和音の一覧表

 それぞれの音に対する3度和音をピックアップしてみました。
 ついでに、6度和音についてもまとめてあります、参考にどうぞ。

主音 短3度 長3度 短6度 長6度
レ# ソ#
ド# ファ ラ#
ファ ファ# ラ#
レ# ファ#
ソ# ド#
ファ ソ# ド#
ファ# ラ# レ#
ラ# レ#
ソ# ファ
ド# ファ ファ#
ラ# ド# ファ#
ミ# ソ#

 一番左の音を基準に、3度和音と6度和音を表に纏めるとこのようになります。
 実際にハモる場合、黒塗りの部分は主音がスケールアウトしているので、必要になる事自体あまり無さそうです。
 また、斜体の部分もスケールアウトになっているので、あまり使いやすいとは言えません。
 当然ですが、基本的に長調のトニック、サブドミナント、ドミナント、導音は長3度、短調のトニック、サブドミナント、ドミナントは短3度。という事が分かります、また、短調の導音(ソ#)は3度、6度のいずれの音とも一緒にならす事が容易な柔軟性の高い音のようです。


BACK
INDEX